不動産会社の仕事内容は主に7つ!未経験から内定獲得するためのポイントも解説
2025/04/05
投稿者:武藤翼
「不動産会社ってどのような仕事をしているの?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論からいうと、不動産会社の仕事は主に「企画開発」「仕入れ営業」「施工管理」「販売営業」「仲介」「管理」「リーシング」の7つに分けられます。
それぞれの専門性を持ったスタッフが連携し、お客様に提供されています。
本記事では、不動産会社の7つの仕事内容を詳しく解説するとともに、未経験から就職するためのポイントやキャリアパスについても紹介します。
不動産業界への就職や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
不動産会社の仕事は7つに分けるとわかりやすい
不動産会社の仕事は、主に以下の7つに分けられます。
- どのような不動産を仕入れるか検討する企画開発
- 企画した不動産の仕入れ営業
- 仕入れた不動産のリノベーションなど企画施工管理
- 自社の不動産を販売営業
- 不動産の賃貸や売買の仲介
- ビルなどの不動産管理
- テナント付けや退去時に対応するリーシング
順番に解説します。
1. どのような不動産を仕入れるか検討する企画開発
企画開発は、不動産業界の中でも「上流工程」と呼ばれる部分を担当します。
実際の業務例は以下のとおりです。
- 市場調査・分析
- 土地の価値を最大化するための企画立案
- 開発コンセプトの策定
- 事業収支計画の作成
- 行政との折衝や開発許可の取得
わかりやすくいえば「この土地にどのような建物を建てればもっとも価値が高まるか」を考える仕事です。
マーケティングや都市計画の知識、不動産関連の法律に詳しい方や、数字に強く事業計画を立てられる方に向いています。
不動産デベロッパーと呼ばれる企業では、この企画開発の仕事が中心となります。
都市再開発や大規模商業施設の開発など、街づくりに関わるやりがいのある仕事といえるでしょう。
2.企画した不動産の仕入れ営業
主に、企画開発で立案された計画にもとづいて、実際に土地や建物を取得する役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 土地情報の収集
- 地権者との交渉
- 土地の査定・評価
- 契約条件の調整
- 売買契約の締結
不動産の価値を見極める目や、地権者と良好な関係を築くコミュニケーション能力が求められます。
不動産の仕入れ営業は、その後の開発や販売の成否を左右する重要な仕事です。
営業経験や不動産の知識があると有利ですが、人と話すことが好きで粘り強く交渉できる方なら、未経験からでも挑戦できます。
3.仕入れた不動産のリノベーションなど企画施工管理
仕入れた不動産に対して、リノベーションや新築工事などの施工を管理する役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 設計事務所やゼネコンの選定
- 工事の進行管理
- 品質管理
- コスト管理
- 工期の調整
「計画通りに建物を完成させる」仕事で、建築や設備に関する知識があると有利です。
また、プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力があれば、さまざまなバックグラウンドを持つ人に向いています。
建築業界での経験や一級建築士などの資格を持っていると、年収が上がる傾向です。
細部まで気を配れる几帳面な性格の方や、複数の関係者と円滑に仕事を進められる調整力のある方に向いています。
4.自社の不動産を販売営業
完成した物件を顧客に販売する役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 物件の価格設定
- 販売戦略の立案
- モデルルームの運営
- 顧客への提案・説明
- 契約手続きのサポート
不動産の知識はもちろん、顧客のニーズを引き出すヒアリング力や、魅力を伝えるプレゼンテーション能力が求められます。
不動産販売営業は、高額な商品を扱うため、成約すると大きな報酬(インセンティブ)が得られることが特徴です。
人と接することが好きで、説明力や交渉力に自信がある方に向いている職種といえるでしょう。
5.不動産の賃貸や売買の仲介
不動産の売り手と買い手、または貸し手と借り手をつなぐ役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 物件情報の収集・登録
- 顧客のニーズヒアリング
- 物件の案内・内覧
- 条件交渉のサポート
- 契約手続きの代行
「お客様の希望に合った物件を見つけて契約までサポートする」仕事と考えるとわかりやすくなります。
不動産に関する幅広い知識と、顧客の要望を正確に把握する力が必要です。
賃貸仲介は比較的参入しやすく、未経験からスタートする方も多い職種です。
一方、売買仲介は取引金額が大きいため、より専門的な知識や経験が求められますが、その分報酬も高くなります。
どちらも顧客の人生の大きな決断をサポートするやりがいのある仕事です。
6.ビルなどの不動産管理
オフィスビルやマンションなどの建物を適切に維持・管理する役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 建物の点検・メンテナンス
- 清掃・警備の手配
- 入居者からの問い合わせ対応
- 修繕計画の立案・実施
- 管理費の徴収・予算管理
主に、「建物を良好な状態に保ち、入居者が快適に過ごせるようにする」仕事だといえます。
建物や設備に関する知識と、トラブル対応力が求められます。
不動産管理は、派手さはないものの安定した収益を生み出す重要な仕事です。
細かい気配りができる方や、計画的に業務を進められる方に向いています。
長期的な視点で建物の価値を維持・向上させる「経年優化」の考え方が重視される職種でもあります。
7.テナント付けや退去時に対応するリーシング
この仕事では、商業施設やオフィスビルなどにテナントを誘致する役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- テナント候補の発掘・交渉
- 賃貸条件の設定・調整
- 入居審査
- 契約書類の作成
- 入退去の立ち会い
わかりやすくすると「建物に最適なテナントを見つけて入居してもらう」仕事です。
不動産市場の動向を把握する力や、テナント企業との交渉力が求められます。
リーシング業務は、建物の価値や収益性に直結する重要な仕事です。
商業施設であれば、どのようなテナントミックスにするかで集客力や収益が大きく変わります。
マーケティングの知識や営業経験がある方に向いている職種と言えるでしょう。
未経験から就職するなら販売営業職がおすすめな理由3選
未経験から不動産業界に入るなら、以下の理由から販売営業職がおすすめです。
- 販売営業を経験していると他職種への転職に有利
- 売上が出せると初年度から年収1000万円稼げる可能性がある
- 営業は向いてないのは自らの思い込みかもしれない
順番に解説します。
販売営業を経験していると他職種への転職に有利
販売営業の経験が他職種への転職に有利な傾向にあります。
理由としては不動産の販売営業は、幅広い知識とスキルが身につくためです。
- 不動産の法律知識
- 税金の知識
- 建築の基礎知識
- ファイナンシャル計画の知識
上記のように、多岐にわたる専門知識を習得できます。
さらに、高額商品を扱うことで培われる交渉力やクロージング力は、どの業界でも重宝されるスキルです。
不動産業界内での異動や転職を考えている方には、販売営業の経験が大きな武器になります。
たとえば、営業で培った顧客対応力を活かして管理職に就いたり、不動産の知識を活かして企画開発部門に異動したりするキャリアパスが考えられます。
売上が出せると初年度から年収1000万円稼げる可能性がある
不動産の営業職は、成果次第で高収入を得られる可能性があります。
なぜなら、基本給に加えてインセンティブ制度が充実している会社が多いからです。
マンションや戸建ての販売では1件の成約で数十万円から百万円以上のインセンティブが発生するケースがあります。
そのため、営業力を発揮して成果を上げれば、入社1年目から年収1000万円を超える可能性もあるのです。
営業センスがある方や、目標達成に向けて努力を惜しまない方には、大きなチャンスがある職種といえるでしょう。
もちろん簡単ではありませんが、自らの頑張りが直接収入に反映されるのは、大きなモチベーションといえます。
営業は向いてないのは自らの思い込みかもしれない
「営業は向いていない」と思っている方でも、実は不動産営業に適性がある可能性があります。
不動産営業にはさまざまな形態があり、必ずしも積極的な営業スタイルだけが求められるわけではありません。
以下の特徴がある方は、営業職に向いている可能性があります。
- 人と話すのが嫌いじゃない
- だれとでもすぐに仲良くなれる
- 人の話を聞くのが好き
- 他人から「話しやすい」といわれたことがある
たとえば、賃貸仲介では来店したお客様の希望を丁寧に聞き出し、最適な物件を提案する「反響営業」が中心です。
新築マンションの販売では、モデルルームに訪れたお客様に対して、物件の魅力を伝える仕事が主となります。
押し売りのようなイメージの営業ではなく、お客様の希望を叶えるコンサルタントとしての役割が大きいのです。
人の話を聞くのが得意な方や、相手の立場に立って考えられる方なら、不動産営業で活躍できる可能性があります。
業種別の4つのキャリアパス
不動産業界の代表的なキャリアパスは、以下の4つです。
- 営業なら入社2年目以降に管理職のチャンスがある
- バックオフィス系なら資格取得でコツコツ年収を上げる
- 多職種への配置転換で収入アップを狙う
- まったく別の業界に転職してキャリアアップする
順番に解説します。
営業なら入社2年目以降に管理職のチャンスがある
不動産業界、ベンチャー企業では実力主義の傾向が強く、年齢や勤続年数に関わらず成果を上げた人材が評価される環境があります。
営業成績が優秀であれば入社2年目から営業部長に抜擢されるケースもあります。
大手企業では10年以上かかる管理職への道が、不動産ベンチャーでは短縮される可能性があるのです。
管理職になれば基本給のアップに加え、部下の成績に応じたインセンティブも得られるため、年収は大きく上昇します。
リーダーシップを発揮したい方や、組織をまとめる力に自信がある方には、このキャリアパスがおすすめです。
バックオフィス系なら資格取得でコツコツ年収を上げる
営業職と違って数字で評価されにくいバックオフィス職では、資格取得によって自らの価値を高めることが年収アップの近道となります。
主に、以下のような資格が有効です。
- 宅地建物取引士
- 簿記2級
宅建士は不動産業界では必須の資格で、取得すると資格手当が支給される会社が多いです。簿記の知識は経理業務だけでなく、不動産の収支計算にも有効です。
資格手当の金額は会社によって異なりますが、月に数千円から数万円のアップが期待できます。
資格を持っていることで昇給交渉の材料にもなりますので、バックオフィス職の方は積極的に資格取得を目指すと良いでしょう。
多職種への配置転換で収入アップを狙う
不動産会社では、さまざまな職種があり、それぞれ収入の構造が異なります。自分に合った職種に移ることで、収入アップの可能性が広がります。
バックオフィスから営業職への転換や、賃貸仲介から売買仲介への転換などが考えられるでしょう。
基本給が低めの職種からインセンティブ制度が充実している職種への転換は、収入アップの大きなチャンスとなります。
職種転換を実現するためには、まず現在のポジションで成果を上げることが重要です。
信頼を得た上で、上司や人事部門に希望を伝え、必要なスキルを身につけていくことで、理想のポジションに近づくことができるでしょう。
まったく別の業界に転職してキャリアアップする
不動産営業で身につけた交渉力やクロージング力は、他の業界でも十分に通用します。
金融業界(銀行・保険)、人材業界、ITサービス業界などへの転職が考えられます。不動産営業で高い成績を残した経験があれば、営業職として他業界からも歓迎されるでしょう。
中長期的なキャリアプランを考える際には、「今の仕事で何を学び、どのようなスキルを身につけるか」という視点が重要です。
不動産業界での経験を単なる「職歴」ではなく、「キャリアの糧」として捉えることで、より広い可能性が開けるでしょう。
不動産の仕事内容に関するよくある質問
不動産業界に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
- 女性の不動産職はどのようなものがありますか
- 不動産の仕事はキツいですか
- 不動産業界の年収はどれくらいですか
順番に回答します。
女性の不動産職はどのようなものがありますか
女性の不動産職は、多岐にわたります。主な職種としては以下のようなものがあります。
- 販売、仕入れ営業
- 事務
- メディア運営
- 広報
近年は不動産業界でも女性の活躍が進んでおり、営業職でもトップセールスとして活躍する女性が増えています。
ライフステージの変化に合わせて働き方を調整できる制度を整えている企業も増えてきました。
不動産の仕事はキツいですか
不動産業界では、営業職がダントツでキツいです。理由は、以下が挙げられます。
- お客様から直接クレームをいわれる
- アポイントが取れない
- 売上ノルマが達成できず上司から詰められる
- インセンティブがないと給料が低い
- 休日でもお客様から連絡が来たら対応が必要
営業職は、高額な商品を扱うだけに責任も大きく、プレッシャーも相当です。
土日祝日が繁忙期となる職種も多く、一般的な会社員とは異なる生活リズムになることも覚悟しておく必要があります。
ただし、その分やりがいも大きく、成果が出れば高収入も期待できます。
関連記事:不動産への就職がやめとけといわれる理由はキツいから!向いている人の特徴5選
不動産業界の年収はどれくらいですか
不動産業界の年収は、職種や会社規模、個人の実績によって大きく異なります。
一般的な年収帯は、以下のとおりです。
職種 | 年収範囲 |
---|---|
不動産営業(未経験〜3年目) | 300万円〜500万円 |
不動産営業(中堅) | 500万円〜800万円 |
不動産営業(トップセールス) | 1,000万円〜3,000万円 |
不動産管理 | 350万円〜600万円 |
バックオフィス | 300万円〜500万円 |
企画開発(デベロッパー) | 500万円〜1,000万円 |
管理職 | 700万円〜1,500万円 |
営業職は成果報酬型の給与体系を採用している会社が多く、実績次第で大きく年収が変わります。
一方、管理職やデベロッパーの企画開発職は、比較的安定した年収が期待できます。
まとめ
不動産会社の仕事は、「企画開発」「仕入れ営業」「施工管理」「販売営業」「仲介」「管理」「リーシング」の7つに大別されます。
それぞれの職種には特徴があり、求められるスキルや適性も異なります。
未経験から不動産業界に入るなら、販売営業職がおすすめです。幅広い知識とスキルが身につき、成果次第で高収入も期待できます。
「営業は向いていない」と思っていても、実は不動産営業に適性がある可能性もあります。
キャリアパスとしては、管理職を目指す道、専門性を高める道、職種転換を図る道、他業界へ転職する道など、さまざまな選択肢があります。
自らの強みや価値観に合ったキャリアを選ぶことが大切です。
不動産業界は確かに厳しい面もありますが、その分やりがいも大きい業界です。
人の生活や企業活動の基盤となる「不動産」に関わる仕事は、社会的な意義も大きいと言えるでしょう。
自分に合った会社・職種を見つけて、不動産業界でのキャリアを築いていってください。